インタビュー


Q4.なるほど。最初に「色ありき」なんですね。
 そうですね。背景の色にしても、あまり後の段階になって決めようと思っても、背景がライダーのシルバーの部分に映り込んだりもするので、そこもちゃんと考えてないとリアリティが出ないんですよね。第1弾のキバのバックも、最初、キバの持つダークなイメージがあって黒にしようかと思ったのですが、そうするとボディが背景に溶け込んじゃうので、ちょっと大人っぽい雰囲気のある紫にしてみました。それと上の部分の黄色っぽいのは爆発のイメージです。昭和ライダーといえば、なんといっても派手な爆発シーンが印象的ですからね。
Q5.ライダーを描く上で、こだわられた箇所があればお聞かせください。
 キバは、複眼が顔の大部分を占めていますよね。その辺りをガッツリ表現したいと思って、マスクなど部分的に3Dを使っているんですよ。ですから、複雑な複眼のパターンもマスクの曲面に沿って立体的に流すことが出来ました。ただ、自分でもここまで3Dを大胆に使ったのははじめてで、最初はマスクだけ3Dにして、そこに違和感なくボディも描けるかなって不安もありました。また鎖も3Dなのですが、資料を見ていると、鎖の表面に模様があるのですが、模様の形が分かる大きさで写っている写真がなくて……。最終的に番組HPのフラッシュで、そのマークが大きく写るのを見つけて、「これだ!」って(笑)。足や肩など全部の鎖にその模様をはめ込んでいきました。
Q6.サイズもあるかと思いますが、ある意味、そこはイラストとして省略することもできるわけですよね。
 そうなんですけれど、やっぱりモヤモヤしたまま描いていると、そこは本当にモヤモヤにしか見えないんですよ。写真が小さくて情報量が保てなくてモヤモヤしているのと、僕がモヤモヤしたまま描いたものでは全く違うんですよね。特にキバは質感やペイントの使い分けも細かく、ゴシック風の模様が体中にあったりと、ディテールが非常に多かったですね。とにかく細かいところまで入念に調べて、ディテールを入れるというのはかなりこだわってやりましたね。
Q7.逆に昭和のライダーでこだわった箇所は?
 昭和ライダーの手袋の「ぶかぶかな感じ」ですね。あれがなかなか難しくて、ホームセンターで羊皮の手袋を買ってきて、自分でそれを付けて握ったところを写真に撮って、それを参考にしながら線画を描いていきました。最終的には、当時の質感や皺の寄り加減も参考にして、その両方をミックスさせる形で仕上げました。
Q8.小さい頃ご覧になっていた、仮面ライダーを現在お仕事として描かれているわけですが、いかが思われますか?
 ライダーはもちろん、石ノ森正章太郎先生の作品全般が大好きなので、本当に不思議な感じですね。ライダーに関して言えば、小さい頃、仮面ライダー1号とバイクがセットになったおもちゃを持っていたのですが、それを買ってもらったときの記憶なんかも鮮明に残っていますよ(笑)。それこそ鳥の刷り込みじゃないですけれど、特に1、2号あたりは、今、自分で描いていても「すごく格好いい!」と思えてきますね。
Q9.それでは、印象に残っている弾のコンセプトについてもお聞かせください。
 第3弾です。ここでのテーマは、ディケイトがそれぞれのライダーに変身するということですね。ディケイドベルトをしたライダーを描くなら、このタイミングしかないでしょうと、僕のほうから提案しました。それぞれのライダーについては、出来る限り映像を観て特徴的な武器やポーズを取り入れていくという、以前と同じやり方で描いたのですが、ディケイド自体は設定上一人しかいないわけですから、他のライダーと同一空間にいないように見せなくちゃいけない。それをどう処理するのかは苦労しました。で、考えたのが後ろのライダーは精霊みたいな雰囲気を狙って、間にカードゲームにも使われているバーコードをデザイン的なエレメントとして使おうと。それによって手前のディケイドと後ろのライダーたちを区別しました。今回はちょっと動きのある感じが欲しいと思って、ライドブッカーの剣先の大胆な入り方など、「逆に写真ではこうは写らないでしょう」というアングルを敢えてやってみました。
Q10.『ガンバライド』を通じて、多数の仮面ライダーを描かれているわけですが、仮面ライダーの魅力とはどのようなところにあるとお考えでしょうか?
 まずは平成と昭和で、ちょっとスタンスが違うところがありますよね。昭和ライダーは同一世界上のストーリーということに一応なっていて、時々集まっていては共闘というのがありますけれど、平成ライダーは毎回リセットして、新しい世界観で物語が展開してく。そういった部分はそれぞれの魅力としてありますよね。でも、どちらのライダーにも、その根底にはちょっと大人向けというかダークヒーロー的な側面がある。そこが人気の秘訣ではないでしょうか。
Q11.今後のイラストも楽しみなところですが、最後に『ガンバライド』ファンへ向けてのメッセージがあればお願いします。
 現在、最新弾のキービジュアルを描いているところですが、毎回ちょっとずつ趣向を変えて、出来るだけ面白いアイデアを入れてイラストを描いていければと思っています。店頭で『ガンバライド』を楽しみつつ、そこに出ているキービジュアルのほうにも注目して、イメージを膨らませていただければ嬉しいですね。


トップに戻る